前書き
前回の記事では、UnityのURP(Universal Render Pipeline)における導入方法と基本的な使い方を紹介しました。Volumeを活用するとシーン全体の見た目を手軽に調整でき、ゲーム演出の幅が一気に広がります。
今回はその中でも特に使用頻度が高い「Bloom」と「Vignette」について掘り下げて解説します。
この2つのエフェクトは、光を強調して画面を華やかに見せたいとき、あるいは視線を中央に誘導して緊張感を与えたいときに非常に役立ちます。
以下は前回まとめたUnityでのVolumeの始め方になりますのでまだ未実装の方はこちらからご確認ください。
Bloomとは?
Bloom(ブルーム)は、画面の明るい部分から光がにじみ出すような効果を与えるエフェクトです。ライトやエフェクトが眩しく感じられる表現に最適で、特にファンタジーやSFの演出に効果的です。
- 明るいエリアが強調される
- 光源がよりリアルに感じられる
- 画面全体が「華やか」「幻想的」な印象になる
例えば、街灯や魔法陣、レーザー攻撃などを強調するのに向いています。

Bloomの設定ポイント
- Intensity(強さ)
→ 数値を上げるほど光がにじみます。ただし強すぎると画面が白飛びするので注意。 - Threshold(しきい値)
→ Bloomが発動する明るさの基準。これを下げると暗めの部分にもBloomがかかります。 - Clamp / Scatter(散乱具合)
→ 光の広がり方を調整できます。演出に合わせて繊細に調整しましょう。

Vignetteとは?
Vignette(ビネット)は、画面の端を暗くぼかすことで中心を強調する効果です。
シネマティックな雰囲気や、ホラー・サスペンスの緊張感を出すのに向いています。
- プレイヤーの視線を中央に集める
- 画面が引き締まり、奥行きを感じやすくなる
- 暗い雰囲気や不安感を演出しやすい
特に探索シーンやボス戦など、集中させたい場面で効果的です。

Vignetteの設定ポイント
- Intensity(強さ)
→ どれだけ暗くするかを設定。強めにするとホラー調、弱めにすると自然なシネマ風になります。 - Smoothness(ぼかし具合)
→ 中央と端の境界をぼかすか、くっきりさせるかを調整。 - Rounded(丸みの有無)
→ 画面端を楕円にするか、角ばった形にするか。演出意図に合わせて使い分けましょう。

BloomとVignetteの使い分け
- Bloom → 光の表現で「派手さ・明るさ」を出したいとき
- Vignette → 視線誘導や「暗さ・雰囲気」を出したいとき
両方を組み合わせると、たとえば
「明るい魔法エフェクトをBloomで豪華に見せ、Vignetteで周囲を暗くして視線を集中させる」
といった効果が作れます。
実際の活用シーン例
- ファンタジーRPG
魔法発動時にBloomを強くして迫力を演出。 - ホラーゲーム
常時Vignetteを薄くかけて、プレイヤーの不安感を増大。 - アクションゲーム
必殺技演出の瞬間にBloomを強くし、同時にVignetteで中央を際立たせる。
まとめ
BloomとVignetteは、Volumeで手軽に使える演出効果ですが、数値設定次第でゲームの印象を大きく変えられます。「華やかさを出したいときはBloom」「緊張感や視線誘導にはVignette」と覚えておくいいかと思います。
ぜひご自身のゲームの雰囲気に合わせて調整してみてください。
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